2010年1月16日土曜日

OC と CC、「価値の移転」の続き

オペラントコンディショニング(OC)とクラシカルコンディショニング(CC)、「価値の移転」、そしてこれらの概念をトレーニングにどうやって効果的に活用するかという Deb Jones の話の続きです。

Deb は自分の犬、Zen を例に挙げて価値の移転を説明します。Zen はボーダーコリーで、まだ若いのに最近 CDX のタイトルを獲得しました。Zen は Hol-ee Roller というゴム製のボールが大好きで、このボールに対してとても強い感情的な反応を示します。そのため、Hol-ee Roller が関わっている物、活動、状況にもその感情的な反応がにじみ込むのです。つまり、Hol-ee Roller の価値の移転が起こっているわけです。Deb は Zen にオビーディエンスの動作を OC を使って教えるときに、Hol-ee Roller をリインフォーサー(reinforcer、動作を強化するもの)として使うので、自然と CC も起こっているのです。

Deb はトレーニングをするときは、まず感情的に準備できた状態に犬をする必要があるといいます。そこで、Zen を訓練するときは、最初にボールでしばらく遊んで Zen の感情を高め、間をおかずにすぐ目標の動作を訓練し、またボールで遊んでというように、訓練を遊びの間にさしはさみます。そうすることで、遊ぶときの態度やインテンシティが訓練にもじわじわと浸透していくわけです。おもちゃではなく食べ物が大好きで、もっとソフトな犬の場合は、Deb は、2トリートゲーム(トリートを反対方向に一つずつ投げて犬に追いかけさせるゲーム)をしてレブアップし、少し訓練したあと、またゲームをするというように、訓練とゲームを交互に行うそうです。

多くの人が動作のトレーニングだけに熱心になって、OCを行っているときに同時に CC も起こっていて、感情が条件付けされているということを忘れていると Deb は言います。そういうやり方で訓練された犬は、ハンドラーの言うことは聞くけれどもまったくやる気が萎えていたり、あるいは、条件付けによって感情が高まりすぎて、ものを考えることができなくなってしまいます。

リインフォーサーをうまく使いこなすには、ただクッキーを犬に与えるのではなく、リインフォーサーの種類や価値についてよく考え、それをいつ使い、いつ使うべきでないかを理解し、素晴らしいタイミングを身につけて、継続してリインフォースメントを与えない段階になったらどうやって動作を維持するかきちんと考えていなければならないのです。

Deb の説明は簡潔でありながらとても明快です。デリックとクリスのトレーニングで何をリインフォーサーにするか、どうやれば CC を頭に置きながら OC で動作を訓練することができるか、深く考えさせてくれました。

今日のトレーニング: デリックは4本のポールのウィーブのあと、3組目の2x2を加えて、6本のポールを初めてウィーブしました。1組目と3組目を少し斜めに置いて、入り口と出口がわかりやすいようにしてやったので、問題なく全部のポールをウィーブしていました。少しずつ角度をなくしていって、6本直線でウィーブできるようになるまでもう少し。クリスは足の間をウィーブするトリックの練習とタギング。

天気予報では、明日の夜から1週間雨が続くとのこと。雨が降るあいだ、どこで何のトレーニングをするか少し考えておかねば。

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